まとまったお金がたまたま手に入って。
おりしも季節はクリスマス。
まぁいろいろと画策したかったんだな。
Dear サンタクロース
「ねぇニア。サンタさんに今年は何か頼んだ?」
私は回転椅子に座るニアを、くるくる回しながら尋ねた。
ニアは特に気にせず、髪をいじっている。
「別に、何も」
そんなことする年齢でもない、と言いたげな雰囲気。
まぁ、気にしないけど。
「ニアはサンタクロース信じてる?」
「……いいえ」
でしょうね!
予想通りの反応。
「えー。頼んでみなよ。ニアはいい子だから、絶対くれるって!」
何せニアは今でもキラを悪として対峙する、SPKのトップだもんね。
私は椅子を回す手を止め、イイコイイコと頭を撫でた。
ニアがきょろんと目を動かして、私を見上げる。
「絶対ですか?」
「うん、絶対!」
だって、私が用意するもんね。
ニアは俯いてしばらく思案した。
キラが欲しい、なんて言いませんように、と祈った矢先。
「そうですね……じゃぁ、が欲しいです」
「えぇっ?!!」
私の声は、びっくりしたせいで裏返り気味。
「欲しいんです、が」
ニアはそのまま私を見ている。
私は何だか気まずくなって、目を逸らした。
ニアはそんな私に気付くそぶりも見せずに続ける。
「サンタさん、くれますかね、」
「……さ…さぁ」
「私は、いい子ですからね」
淡々と話すニアが恨めしい。
「く、くれるんじゃ、ない?」
必死の思いで絞り出した声は、何だかちょっと掠れてて。
どうしよう、顔が熱いよ。
「そうですか。それは楽しみですね………」
弱りきった私の視界の端で、ニアの口元が笑んでいる気がした。